分散手段の一つです。
このように食べるものにも事欠くような状態を、ロシアの人々はどのように凌いだのだろうか?そのヒントは、「ダーチャ」と呼ばれる家庭菜園付きの別荘にある。
ソ連時代には、労働者への福祉の一環で、国や職場から安価でダーチャのための土地を買うことができ、多くの市民は郊外にダーチャを保有していた。ただ、いわゆる別荘とは趣が違って、水道やガスなどのインフラが整備されていないことも多く、人々は自分で家を建て、自力で井戸を掘ったりしなければならないのが常識だった。当時のソ連の人々は週末になるとダーチャを訪れ、そこで野菜や果物を育て、ブタなどの家畜を飼い、自給自足の生活を送っていたのである。ダーチャの存在とそこでとれた食料は、結果的にモノ不足に苦しむ人々の生活を支えることになる。
世界はすでに破綻しているのか?(高城剛 著)
二拠点居住というスタイルが広まっていくと確信している。
これを政府レベルで行っているのがロシア(旧ソ連当時)の「ダーチャ」で、首都であるモスクワで働くホワイトカラーの多くに郊外の別荘が与えられ、平日は都市部で働き、週末は別荘へいって時間を過ごすという二地点居住を実践していた。このスタイルを実行したロシア人は、のんびりとした時間を過ごせることによるストレスの軽減に加え、都市生活を一歩離れて見つめ直すことができ、そこで各々が野菜を育てていたことで経済不況下においても最低限の食生活を保つことができた。
「ダーチャ」は極端な例かもしれないが、複数の住居を持つことは、楽しみやリスク回避も含めて一カ所だけに留まるよりも多くのメリットを生み出してくれるはずである。長年ひとつのマンションのローンを延々と払い続けるより、まったく違ったふたつの賃貸のほうが楽しみは増すと考える人も少なくない。
高城剛と考える21世紀、10の転換点(高城剛 著)
今回のコロナで間に合わなかったことの1つでした。
高城さんが教えてくれた、「所有物」や「人脈」、「仕事」などのダウンサイジングや分散は、長年しっかり時間をかけて実現できたので、今回のコロナで大きな影響を受けることなく対応することができています。しかし、なかなか実現できなかったものがいくつかあり、その1つが「2拠点居住(拠点)」でした。ダーチャのような本格的な家庭菜園が出来ればベストだと思っていました。色々リサーチしたりして方法を探ったのですが、どうしても仕事の都合上、都心で頻繁に対面での対応が必要なため、物理に難しく、また費用対効果を考えて断念してしまいました。
しかし、コロナにより社会が大きく変わり、様々なリスクが高まってきました。いよいよ行動に移す時なのではないかと思い、リサーチを再開しています。進展がありましたら、このブログで記事にしたいと思います。
ダーチャの心 十か条
- 自然から謙虚に学ぶ
- 今日は劇場、明日は菜園 若い人でも自国の文化・歴史を語れるし、どんな辺境の地にも詩をそらんじ、芸術論を戦わせる人がいる
- ニチェーボで行こう 「いいからいいから」「なるようになるさ」
- 大地のリズムに合わせよう
- 働かざる者食うべからず
- お金をかけずに手間暇かける
- お金は必要なだけあればいい
- 知恵はみんなで共有する
- 自分がやらなきゃ誰がやる
- いつだってアナログに戻れる
ダーチャですごす緑の週末(豊田菜穂子 著)
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- ダーチャですごす緑の週末(豊田菜穂子 著)
- 世界はすでに破綻しているのか?(高城剛 著)
- 高城剛と考える21世紀、10の転換点(高城剛 著)
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