最新号のメルマガで紹介されていた本です。
そんな中、久しぶりにお目にかかった知人から、一冊の本をいただきました。
電子版もない、四半世紀近く前の古い本で、「ぜひ、いま読んでください」と、一冊の本を手渡されたのです。その本には、「ポストコロナ」ならぬ「ポスト日本人」を目指すことが書かれていました。
(中略)
実はこれ、いまから25年近く前に出され、すでに絶版になっている僕の本なんです。久しぶりにお目にかかった知人は、「いま、これを読んで、本人はどう思うのか」と考えたらしく、わざわざ沖縄までやってきました。著者に昔の著作について尋ねるのは、なかなか面白いもので、僕も、とある作家に昔の作品について根掘り葉掘り聞いたことがありますが、まさか、僕にその日がやってくるとは、考えたこともなかった上に、元来、忘れっぽい性格なこともあって、まったく内容を覚えていませんでした。
ただ、二十数年ぶりに読む自著は、とても新鮮でした。
高城未来研究所「Future Report」Vol.469(2020/06/12)
プレタポルテby夜間飛行
おそらくこの本は、1997年に発売された高城さんの著書「デジタル日本人」だと思います。20年以上前の本ですが、改めて読み見直すと様々な気づきがあります。本書は絶版のため、amazonのユーズドで高騰しています。名著を読むのにハードルが高いことが悩ましい限りです。著作権の範囲内だと思いますが、目次とまえがきの一部をシェアしたいと思います。(問題がある場合は今後削除する可能性がありますのでご了承ください)
目次
この本の読み方
はじめに
第一章 マルチメディア的生き方とデジタルの生理について
人間の生涯がデジタルになってきた符号としてのデジタルの実態
感性としてのデジタル
ヒット曲の作り方
あなたはジェネレーション・デジタルですか?
家電、個電、そして外電へ
OS進化論
ヴァーチャルな体験は実体験を促進する
ネットワークとフットワーク
メディアへの欲望
未来テレビ
なぜ、ハイビジョンはなかなかやってこないか?
ラブ&サービス
フローティング・タイムの使い方
大成功したふたつの時間ビジネス
マルチメディアに一括千金のチャンスあり
サビアタマの時代
新しいお茶の間の時代がやってくる!
コミュニケーションの真意
第二章 インターネットの真実とネットワーク社会の未来について
さらばインターネットホームラン(Home-LAN)プロジェクト
ネットワークとフットワークは比例する
在宅勤務のウソ
「第一の土地」と「第二の土地」
「第三の土地」の発見へ
大移動の時代=大情報時代=大映像の時代
ナイキとノート・パソコンとオープン・カフェと猿岩石
サバービアンの時代再び
ポジティブな不安定要素がベンチャーを育てる
ヒット構造を作る!
ソフトとハードと流通の三位一体
日本人のためのオンライン・ショッピング
流通革命
理想の生活と「サービス・デリバリー・サービス」
バーコードとペーパー・バッテリー
ビットとアトム
変貌するコミュニケーションと時間と距離
付録 高城式デジタルの作り方 ~最も人間に近いところのデジタル化~
第三章 ポスト日本人
日本の学歴社会とポスト日本人デジタル・クリエイティブ企業の誕生
デジタル・ビジネスのリストラ
ゲームキッズの未来
ポスト日本人の「庭」
ベンチャーと不毛と「庭」
風俗はデジタル・コンテンツを変える
『デジタルモダニズム』の現在
デジタルの波に乗りそこねた子供たち
『デジタルモダニズム』の最大の敵とは?
時間ビジネス
アイデアの宝庫としてのコンビニ
流行という名の宗教
世界最大の柔らかい集団
起業時の夢の大きさがベンチャーの可能性
「ハングリーさ」と「生きること」は違う
さらば戦後、さらば高齢化社会
ソフトハウスから柔らかい集団へ
ストリートの覇者と地方の時代
デジタルモダニズムに乗れない人々
国家からエリアへ
エージェント国家ポスト日本
世界はひとつか?
デジタル・モンドとデジタル・ジャパニーズ
千年王国
あとがきの前に
あとがき
(P2)この本の読み方
本書は三つの章からなっている。ひとつめはマルチメディアの考えかたと新しい人間の生理についての「マルチメディア的生き方とデジタルの生理について」。ふたつめは、「インターネットの真実とネットワーク社会の未来について」。そして、最後の章は、二十一世紀に生き残るための新しい日本人像を描いた「ポスト日本人」論を書いた。本書は、近年よくある技術志向を中心にしたコンピュータ関連書籍でもなければ、新しい考え方を提案するビジネス書でもない。二十一世紀に日本人が生き残るために、今日我々がしなければならない「なにか」を僕なりに書いたつもりである。ハードウェアやインフラではなく、デジタル・ライフを軸とする新しい日本人=「デジタル日本人」とは? についてである。
この三つの章に書かれていることは、ビジネス論だけではない。デジタルを武器にした「ポスト日本人」の姿である。徳川江戸幕府以来の「ひとりでは、がんばらない」姿勢、もしくは「みんなで、がんばる」を強調してきた日本人にオサラバするために、「ひとりでも、がんばる」新しい『ポスト日本人』を僕は主張したい。環境問題やインターネットはさておいても、否応なしに地球は、ひとつである。グローバル・ビレッジなどという、やさしい気持ちで大海には出ては行けない。少し痛い目にあうことも多い。不特定な、また不明確な「ひとりでも、がんばる」日本人になりたい、といまこそ思う。そこにネットワーク・セキュリティも二十一世紀の日本の鍵もすべてあると思う。これはビジネス論を超えた二十一世紀の日本人のライフ・ガイドである。
Link:
デジタル日本人 高城剛 著