行き詰る現代社会の正体と、それを打開していくヒントが書かれています。
先日の高城剛さんのメルマガ(Vol.150)で紹介されていた本です。高城さんが「僕を形作った五冊」の一冊です。フランスの人類学者クロード・レヴィ=ストロースの名著です。日本では1976年初刊です。
非常に難しい本のため何度も挫折していましたが、NHKテキスト「100分de名著『野生の思考』」で理解が深まりました。分かりやすく解説されているので、まずはこちらの本から読んだ方が良いかもしれません。
著者は大学の教授職の誘いを受けてブラジル・サンパウロに赴任したことをきっかけに、現地の未開社会に生きる原住民のフィールドワークに取り組み始めます。
その後、研究を通じて、『未開社会に生きる原住民は、現代人(西欧)に比べ知性が劣った「野蛮人」ではない。』『自然について非常に高度で深い知識を持ち、それを生活に上手に利用している。』ことを知ります。むしろ現代人は「歴史」に縛られ「自閉」していると言っています。
その他に、ブリコラージュ(ありあわせの道具材料を持ちて自分の手でものを作る)、新石器時代の思考、神話・儀礼に繋がるトーテミズム、日本文化の可能性(100分de名著)など興味深いトピックスが登場します。
読みこなすにはハードルが高いですが、高城さんの知性に近づきたい方におすすめに一冊です。また本文が難しいため、出版社の方には現代語訳による再販を期待します。
動画はこちらから
NHKオンデマンド 100分de名著 レヴィ=ストロース“野生の思考”
「野生の思考」目次
- 序
- 第一章 具体の科学
- 第二章 トーテム的分類の論理
- 第三章 変換の体系
- 第四章 トーテムとカースト
- 第五章 範疇、元素、種、数
- 第六章 普遍化と特殊化
- 第七章 種としての個体
- 第八章 再び見出された時
- 第九章 歴史と弁証法
100分de名著『野生の思考』目次
- 【はじめに】人類の思考を変える起爆力
- 第1回 「構造主義」の誕生
- 第2回 野生の知財と「ブリコラージュ」
- 第3回 神話の論理へ
- 第4回 「野生の思考」は日本に生きている