「良い」写真とはどんなものか?
先日の高城剛さんのメールマガジン(Vol.674)で紹介されていた書籍です。『「良い」写真とはどんなものか?』という質問への回答として紹介されていて、「良い」写真と「好きな」写真についての解説は読みごたえがあります。
著者のジョン・バージャーはイギリスの美術批評家です。本書はイメージが氾濫する時代において人々が「ものを見る」ことの意味について問題提起をした内容で、半世紀以上前に発表された内容とは思えない先見性があります。1972年に初版発行以来、増版を重ねるロングセラーの名著です。
AIがますます身近になる現代において、改めて読みたい一冊です。
目次
- はじめに
- ⅰ イメージの変容
1 「見ること」の位相
2 言説の神秘化
3 複製環境の意味
4 絵画の新しい価値
5 解き放たれたイメージ - ⅱ 社会空間になったイメージ
- ⅲ 「見ること」と「見られること」
1 光景としての女性
2 NUDEとNAKED
3 「裸体」の機能 - ⅳ 見られる女たち 取り囲む女たち
- ⅴ 所有するタブロー
1 所有形式としての絵画
2 画法の矛盾
3 新しいジャンル
4 風景と自然への浸透
5 油絵の本質 - ⅵ 「見ること」のなかの「所有すること」
- ⅶ 広告の宇宙
1 欲望のトボス
2 広告言語と絵画言語
3 現実から非現実(メディア)へ - <見ることのトポロジー>伊藤俊治
1 視覚のメカニズム
2 写真の発生の周辺
3 ブルジョワジーの眼
4 コレクターとしての美術館
5 自然からの離脱
6 複製環境の広がり
7 博覧会から広告へ
8 新しい見ることの位相 - 訳者あとがき